目次
ECサイトの知見のない事業者・個人がECサイト制作にあたり、どういう流れで制作を進めていくかを解説します。
近年では、EC事業者・顧客のニーズやトレンドに合わせて、ECサイトの制作方法やサービスは、年々増加しています。
ECサイトをまず始めてみたい方、どうやって作るのかを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ECサイトの構築手順
ECサイトの運営方針を決める
まず、ECサイトの運営方針を決めます。
運営方針は以下の「5W3H」の問いに沿って検討してください。
5W3H | 内容 |
---|---|
When | いつから売りたいか。 |
Where | ターゲットにする場所はどこにするか。越境対応はするか。 |
Who | どんな人に売りたいか。運用業務は誰が担当するか。 |
Why | なぜ売りたいのか。独自性はあるか。 |
What | 何の商品を売りたいか。 |
How | どのように売りたいか。方法は適しているか。 |
How many | 売上はどのくらいの規模を目指すか。 |
How much | 構築費用・月額料金の予算はいくらか。 |
運営方針は、目的や要件の目線を合わせることにおいて重要です。
目的や要件を見失うと運営がブレてしまい、サイトの方向性や施策に一貫性がなくなる恐れがあるからです。
複数の担当者で運営する場合は、運営方針をしっかりと共有し、共通のイメージを持っておくことが重要になります。
要求定義の策定
「要求定義」とはどのような機能が必要か決めることです。
ECサイトの運営方針を実現するために必要な機能を精査をするために、要求定義が必要になります。
もしECサイトの海外展開を視野に入れている場合、越境ECを取り組みやすいカートシステムを選択する必要がありますし、期間限定のECサイトなら運営コストが安い簡易的なシステムを選択するべきです。
その他にも、「こんな機能を実装したい」「こういうサービスを展開したい」などの、機能面の要望を予め整理しておくことで、展開するECサイトの機能面に優先順位をつけることができます。
カートシステムの選定
前のステップで決めた「要求定義」を基に、利用するカートシステムを決定します。
カートシステムとは、ECサイトを構築できる決済機能付きのシステムです。
自分の要望が実現できそうなカートシステムを選定して、それぞれの見積を比較してください。
カートシステムは運営業務上、基本的に毎日操作するためできるだけストレスを感じないサービスを利用するのが良いです。
管理画面の操作に時間がかかると業務が非効率ですので、管理画面の操作感を調べておくようにしましょう。
サイト・ページ設計
サイト作成で必要な最低限のページの型は、各カートシステムが標準で用意しているため特に検討する必要はありません。
サイト・ページ設計で特に意識したい点は以下になります。
②ユーザーが新規顧客か既存顧客かで見せる情報を変える。
③商材によって見せる情報を変える。
④「回遊性を高める」。商品ページまで誘導して購入までどのように到達させるかを意識する。
ECサイトのゴールはユーザーに「購入」していただくことです。
まず前提として、顧客が商品購入に至るまでに商品詳細ページを介して「買い物カゴに追加する」などの行動に遷移します。
商品詳細ページまでユーザーを誘導するために、導線を複数用意することが重要になります。(①について)
また、新規顧客に購入を促すには自社のECサイトで買う理由を示すことが重要です。(②について)
例えば、ここでしか買えない商品や他で使えない決済方法が使えて簡単に購入できる。競合と比較して一番安いなどの価値体験です。
既存顧客にはできる限り商品を数多く見せ、回遊させて顧客が欲しいと感じる商品と出会うことができれば購入に至ります。
そのために、関連商品を表示、補完商品を表示するスペースを確保する必要があります。
デザイン制作
ECサイトのデザイン制作では、購入促進を図るために画像を作成、サイト設計した枠組みを元にレイアウトを組む作業を行います。
デザインでは、ユーザーの購入意欲を掻き立てること、購入までの操作性の高い内容にすることが重要です。
デザインを疎かにしてしまうと、ユーザーに「コンセプト」を感じてもらえず、「信頼感」を得ることができない場合があります。
競合と比較された時に、ユーザーから共感を得ることができないと離脱されてしまいます。
完成した後は、制作したデザインをデザイン性の高い競合と比較し、全体のバランスを見ることが効果的です。
第三者の意見をもらい細かいデザイン要素を修正していきましょう。
商品登録
商品登録とは、ECサイトで販売する商品情報を登録することです。
登録する商品の画像や説明文のデータを作成します。
商品数が少ない場合は、個別で登録しても問題ありませんが、商品数が多数ある場合は、CSVデータで一括登録すると効率的に登録できます。
CSVデータの雛形は、各カートシステムが用意していることが多いので最初に確認するようにしましょう。
商品登録の作業が完了したら、必ずチェックを行いましょう。
商品ページ内の誤字や表示漏れは、ユーザーの信頼性を損なってしまう可能性がありますので、商品価格・仕様・商品説明などの確認は慎重に進めてください。
公開
公開は管理画面から操作可能です。
公開作業は簡単ですので、準備が整い次第ECサイトを公開しましょう。
ただ、公開するまでは準備段階に過ぎず、アクセス数が自然に増えることは期待できません。
そのため、集客に必要な施策を実施していくことが重要です。
集客施策は、ターゲットによっても大きく変わる部分ですので、個人で運営するのが難しい分野になります。
ECサイトの集客施策を行なっている代理店や運用会社に見積もりを依頼することをおすすめします。