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はじめに|なぜWebサイト制作にヒアリングシートが必要なのか
Webサイト制作において、最初の段階でどれだけ情報を整理できるかが、その後の成功を大きく左右します。特に、制作会社と依頼者の間で「目的」や「イメージ」が食い違うと、後になって大きな修正が必要になったり、納期が大幅に遅れたりすることがあります。
このようなトラブルを防ぐために役立つのが「ヒアリングシート」です。
ヒアリングシートは、依頼者から必要な情報を体系的に聞き出すためのツールで、制作の出発点となるものです。
ヒアリング不足で起こるトラブル例
ヒアリングを十分に行わない場合、次のようなトラブルがよく起こります。
成功する制作の共通点
成功するWebサイト制作に共通しているのは「事前準備の徹底」です。
特に、ヒアリングシートを用いて情報を整理し、依頼者と制作側が同じゴールを共有できている案件はスムーズに進む傾向があります。
ヒアリングシートとは?初心者でもわかる基本解説
定義と役割
ヒアリングシートとは、クライアントから必要な情報を引き出すための質問リストです。目的、ターゲット、必要なコンテンツ、デザインの方向性などを整理し、依頼者と制作側の認識を合わせる役割を果たします。
企画書や要件定義との違い
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ヒアリングシート:依頼者から情報を収集するための質問集
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企画書:ヒアリング内容をもとに、制作側が提案内容をまとめたもの
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要件定義:企画書をさらに具体化し、仕様や機能を明確にしたもの
出典:https://www.tol.jp/workflow/
Webサイト制作で確認すべき主な項目一覧
ヒアリングシートには、最低限以下の項目を盛り込むことをおすすめします
1. 会社情報:事業内容や強みを整理する
依頼者の会社や事業内容を理解することは、正しい訴求ポイントを設計するための第一歩です。
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会社の沿革や事業内容、強み・特徴
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提供しているサービスや商品の種類
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事業領域や市場での立ち位置
2. 目的:Webサイトの役割を明確にする
Webサイトの目的を明確にすることで、制作の方向性が決まります。目的によって必要なコンテンツやデザインも変わるため、初期段階でしっかり整理することが重要です。
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採用:社風や働く環境をアピール
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集客:商品・サービスの魅力を伝え問い合わせや購入につなげる
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ブランディング:会社やブランドの認知度向上やイメージ構築
3. ターゲット:想定顧客を具体化する
ターゲットを整理することで、コンテンツやデザインの方向性が明確になります。
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年齢層・性別・職業・居住地など
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興味関心や抱えている課題
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行動パターン(スマホで見るかPC中心かなど)
4. 競合:差別化ポイントを把握する
競合他社のWebサイトを調べることは、差別化ポイントを把握し戦略的に設計するうえで非常に有効です。
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競合が強みとしているポイント
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弱みや改善点
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デザインやコンテンツの傾向
5. コンテンツ:必要なページや情報を整理する
どのページや情報を掲載するかを整理することも重要です。
サービス紹介ページ、実績紹介ページ、ブログ・ニュース更新機能、問い合わせフォームや予約フォーム…など。
下記サイトマップ内のページは企業サイト(コーポレートサイト)でよく使われる代表的なページです。
どのページを掲載するかを明確にし、制作側と依頼者の認識のズレを防ぎましょう。
6. デザイン:方向性や参考イメージを確認する
Webサイトの印象を大きく左右するのがデザインです。依頼者と制作側の間でイメージが食い違うと、修正が繰り返されて工数やコストが膨らむ原因になってしまいます。そのため、初期段階で「どんな雰囲気のサイトにしたいのか」をすり合わせておくことが大切です。
確認すべき主なポイントは以下のとおりです。
- 参考サイトの共有:近いイメージのWebサイトを3〜5つ程度提示してもらう
- ブランド要素の整理:ブランドカラー・ロゴ・フォントなど必ず反映すべき要素を明確にする
- ビジュアルの方針:写真を多く使うのか、イラストやアイコンを中心にするのかを事前に決める
- トーン&マナー:シンプル・高級感・親しみやすさなど、言葉でのキーワードも整理しておく
ここまでを整理しておけば、制作側は依頼者の意図を正確にデザインに反映でき、完成後の「イメージが違った…」というリスクを大幅に減らすことができます。
7. 運用:予算・納期・体制を事前に決める
最後に、実現可能性やスケジュール、運用体制を確認します。
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制作予算:予算内で可能な機能やデザインを把握
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納期:公開希望日に間に合わせる計画を立てる
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公開後の運用体制:更新担当者や更新頻度
まとめ
Webサイト制作におけるヒアリングシートは、単なる質問集ではなく、プロジェクト全体をスムーズに進めるための地図です。
特に重要なのは、これまで紹介してきた会社情報・目的・ターゲット・競合・コンテンツ・デザイン・運用の7項目を事前に整理しておくこと。この7項目を最初に明確にしておくことで、制作側と依頼者の間に生じやすい認識のズレを防ぎ、修正やトラブルを最小限に抑えることができます。
さらに、テンプレートや図解を取り入れて「見える化」することで、初心者の方でも効率的に情報を引き出せるようになります。結果として、納期の短縮やコストの削減にもつながり、安心して制作を進めることができるのです。
「どこから手をつければいいかわからない…」という方は、まずはこの7項目をベースにシンプルなヒアリングシートを作成してみましょう。これが「失敗しないWebサイト制作」の第一歩になります。
そして、もし「自社に合ったヒアリングの進め方が分からない」
「プロの視点で整理してほしい」と感じたら、ぜひ monomode へお問合せください! 貴社に最適な制作プロセスを一緒に設計し、安心して進められる体制をサポートいたします。